こんばんは!はるいちです。
今日は、菊池良和さんの著書『吃音のことがよくわかる本』を読んだ感想と、
本の概要についてご紹介したいと思います。
こんな方におすすめの本です。
✔子供の吃音に悩んでいる方
✔言語聴覚士を目指している方
✔吃音について基礎知識を学びたい方
著者菊池良和(きくちよしかず)のプロフィール
1978年山口県出身。
自身、吃音に悩まされていたことから医師になることを決意。
九州大学医学部卒業後、宗像水光会病院研修医を経て、九州大学医学部耳鼻咽喉科入局。
同大学大学院臨床神経生理学教室で吃音者の脳研究を開始。
一般診療のほか吃音者の診療にもあたり、また講演活動など吃音の啓発に取り組んでいる。
主な著書に『ボクは吃音ドクターです。』(毎日新聞社)、
『エビデンスに基づいた吃音支援入門』(学苑社)などがある。
(どもっていてもいいんだよ 吃音ドクターが伝えたいこと:朝日新聞デジタル (asahi.com)
『吃音のことがよくわかる本』の目次
第1章:どうしよう!子どもの気がかりな話し方
第2章:これからどうなる?子どもの吃音
第3章:聞き手の変化が吃音の悩みを減らす
第4章:リスクを踏まえて子どもを守る
第5章:吃音のある子自身ができること
『吃音のことがよくわかる本』 の概要
自身も吃音に悩まされた経験がある、吃音の治療に携わる著者が、
解明されていない部分が多く、容易に治らない吃音に対して、
どう向き合うべきかを提案した本です。
子どもの吃音についてと、吃音の悩みに対する向き合い方
①吃音には「連発」「伸発」「難発」の3種類がある
吃音は話し始めのタイミングが合わなくなるために生じるもので、
同じ音を繰り返す連発(言葉を繰り出すタイミングが早すぎて最初の音でつかえてしまう)、
最初の音を引き伸ばす伸発(言葉の最初の音から次の音に移るまでのタイミングが遅く、
最初の音が引き伸ばされる)、
なかなか言葉が出てこない難発(タイミングが取れずに言葉が出てこなかったり、
一生懸命タイミングを合わせようとすると、のどに力が入り、最初の音だけが大きくなったりする)
の3種類があります。
②吃音をカミングアウトすることで心の重荷を軽くする
「吃音がある」と自分から周囲に伝えることによって、
吃音を隠す努力をしなくてよくなったり、どもっても落ち込みにくくなることから、
事態の悪化を防ぐ有効な手段になります。
また、聞く側の姿勢を変えるだけでなく、自分の不安を減らすことに繋がります。
③ほめる機会を増やして自信を育ててあげる
「どもってもいいんだよ」と周りが伝え続けることが大切で、
頑張って話すことを褒めてあげることで自信に繋がり、
自分を肯定的にとらえることができるようになります。
本書を読んでの感想
①吃音のことをオープンにすることの大切さを学びました
私自身、吃音であることを隠していましたが、周囲にカミングアウトすることによって、
どもったときの落ち込みを軽減できたり、周囲の協力も得られることもあるので、
心がだいぶ楽になるのではないかと思いました。
②吃音についての悩みを相談できる場所が分かりました
吃音についてインターネットなどで調べても、まだ解明されていない部分が多く、
改善しようと思ってもできずにいましたが、本書を読んで「言語聴覚士」という、
吃音をはじめとする言語障害を専門に扱う人たちの存在を知りました。
③人前で話すことを避けずに挑戦することの大切さを学びました
吃音を減らす方法の一つとして、実際に人前で話す経験を積み、
自信をつけていく方法があるということを知りました。
あらかじめ、「人前で話す場面でうまく話せ、周囲とのやりとりもうまくできている自分」を、
イメージする習慣を身に付けることも大切であると学びました。
さいごに
今日は、菊池良和さんの著書『吃音のことがよくわかる本』を読んだ感想と 、
本の概要についてご紹介されていただきました。
私自身、接客業に携わる者として致命的な吃音にずっと悩まされており、
克服できないかと思って、本書を手に取りました。
本書を読んで、自分が吃音であるということを周りに打ち明けることで、
周囲の協力と自分の負担軽減に繋がる可能性があると知り、とても参考になりました。
ただ本書は主に子どもの吃音についてと、吃音の悩みに対する向き合い方について書かれているため、
子どもの吃音について悩んでいる方にとっては良書ですが、
私のように、大人の吃音者にとっての悩みを解決できるような情報はほとんどなかったので、
本書を吃音についての基礎知識を学ぶために活用するほうがいいと感じました。
著者の菊池良和さんは、吃音ドクターと呼ばれています。
日本には数少ない吃音の専門家で、多くの本を出版しています。
吃音で悩んでいる人にとって、知っておきたい方です。
ちなみに、菊池さんのTwitterもフォローさせていただいています。
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