こんばんは!はるいちです。
今日は、近藤雄生(こんどうゆうき)さんの著書、『吃音伝えられないもどかしさ』を読んだ感想と、
本の概要について紹介したいと思います。
こんな方におすすめの本です。
✔吃音で悩んでいる方
✔言語聴覚士を目指している方
✔吃音について詳しく知りたい方
著者近藤雄生(こんどうゆうき)のプロフィール
1976年東京都生まれのノンフィクションライター。
東京大学工学部卒業、同大学院修了。
2003年、自身の吃音をきっかけの一つとして、妻とともに日本を発つ。
オーストラリア、東南アジア、中国、ユーラシア大陸で5年以上にわたって、
旅・定住を繰り返しながら月刊誌や週刊誌にルポタージュなどを寄稿。
2008年に帰国して以来、京都市を拠点に執筆する。
著書に『遊牧夫婦』『旅に出よう』『吃音』『オオカミと野生のイヌ』などがある。
((1) 近藤雄生 / Yuki Kondoさん (@ykoncanberra) / Twitter)
『吃音伝えられないもどかしさ』の目次
第1章:死の際に立ちながら
第2章:ただ”普通に”話すために
第3章伝えられないもどかしさ
第4章新人看護師の死
第5章:言葉を取り戻した先に
第6章:私自身に起きた突然の変化
第7章:”そのまま”のわが子を愛せるように
『吃音伝えられないもどかしさ』 の概要
著者近藤雄生も長い間吃音に悩まされていた経験があり、
未だメカニズムが分かっていない日本人の成人のうち、100人に1人は存在する吃音に対して、
実際に著者が、吃音に悩む方々に会いに行った際の記録をまとめたノンフィクション作品です。
吃音を治すのか、受け入れるのかは人それぞれ
私は、どもらないよう自らコントロールできる発話方法の獲得を目指します!
ある男性は、本来の自分の話し方とは別の、速度落とした話し方を身に付けるために、
1日30分程度、腹式呼吸をしながらの発声練習などを約2年間繰り返した結果、
かなり速度を落としているとはいえ、ほとんどどもらず講演ができるまでに回復しました。
話す速度を下げたり、最初の音を引き伸ばしたりすると、話すときの負担は減るため、
その負担の少ない話し方を反復練習によって体に覚えこませ、
必要な時にその話し方に切り替えるという発話のコントロールに成功しました。
私は、障害者として生きる道を選びます!
ある女性は、吃音を治すのではなく、身体障害者手帳の申請をし、
障害者枠で働くという道を選ぶことによって、本人にとって大きな助けになりました。
一般的には、吃音で障害者手帳を取る例は少ないですが、吃音の症状によっては、
医師が診断書を書き、交付される場合もあるそうです。
私は職場で吃音であることを公言することで、
悩みを解決しました!
ある男性は、自分が吃音であることをカミングアウトした結果、職場で協力を得ることができ、
本人にとって負担の少ない部署への配属が決まり、安心して働くことができるようになりました。
自らの問題をはっきりと伝えることによって、自分に適した仕事に就くことができました。
本書を読んだ感想
①私も吃音を治す訓練に興味を持ちました
私は、吃音を受け入れるのではなく、治す方法を取得したいと思いました。
本書では、横隔膜(胸部と腹部を隔てる膜のような筋肉)が下がった状態を保ちながら話すと、
吃音が出にくいと書かれていたので、詳しく調べて自分でも試したいと思いました。
②障害者枠で働くという選択肢もあるという事を知りました
吃音はまだまだ解明されていない部分が多く、克服が難しいため、
あえてそれを受け入れ、障害者枠という選択をすることによって、
本人にとって負担を軽くすることができるということを知りました。
③吃音を周りに打ち明けることも大切なんだと感じました
吃音を隠して悩みながら生活するよりも、はっきりと打ち明けることで、
周囲が配慮してくれる場合があるということを知りました。
理解を得られれば、本人の気持ちも大分楽になると感じました。
さいごに
今日は、近藤雄生(こんどうゆうき)さんの著書、『吃音伝えられないもどかしさ』を読んだ感想と、
本の概要についてご紹介させていただきました。
本書は、吃音を持つノンフィクション作家の著者が、
実際に吃音に悩みながら生活している7名の方に取材をし、その記録をまとめたものなので、
過去に仕事をしている上で、吃音に悩まされている方達のリアルな現状が描かれていて、
今の私に当てはまる部分もたくさんあり、とても共感できる内容でした。
なかなか克服するのが難しい吃音に対して、色々なアプローチの方法があるということが分かり、
とても勉強になりました。
現在、成人の吃音に関する著書はあまり多く出版されていないですが、
本書は成人の吃音で悩む方にとって、ヒントになることがたくさん書かれているので、
読んで損はない本だと感じました。
本書の最後には、作家重松清さんの解説も掲載されています。